仕組みで動くように会社を変革。 第二創業期を迎えてなお成長し続けるfreee株式会社

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クラウド会計ソフトの「freee」。会計ソフト以外にも、人事労務管理や会社設立手続き、開業手続き、確定申告などの会計・経理業務をサポートするサービスとして、フリーランス・個人事業主から中規模法人まで幅広い方のバックオフィス業務を支えています。

そんなfreeeを運営するfreee株式会社ですが、2019年に上場し企業としての成熟期を迎えているかと思いきや、未完成の部分がまだまだ多く、今からの入社でもチャレンジできることが山のようにあるといいます。

 

 

第二創業期を迎え、壮大なビジョン実現に不可欠なエンジニア採用を積極的に行っている同社。変革期の中で現在どのような人材が求められているのか、JACリクルートメントのFinTech領域専門コンサルタント太田新作が、取締役/共同創業者でCTOである横路隆氏にインタビューしました。

 

<インタビュイー>

横路 隆氏
freee株式会社 取締役/共同創業者 CTO

Ruby City 松江育ち。慶應義塾大学大学院理工学研究科修了。学生時代よりベンチャー企業でインターンを行いBtoB向けシステム開発に携わる。新卒でソニーに入社、2012年にfreee株式会社をCEO佐々木大輔氏と共同で創業。

 

<インタビュアー>

太田 新作
JACリクルートメント コンサルタント

大手外資系人材紹介、人材系スタートアップを経て2020年にJACリクルートメントへ入社。
当時立ち上がったばかりのJACリクルートメント:FinTech部門に配属。
職種としてはIT領域のビジネスサイド、エンジニアサイド、管理系職種と幅広く採用支援を行う。
現在は主に通信キャリア、FinTech領域のメガベンチャークラスのビジネスサイド、エンジニアサイドの採用支援に従事。

 

 

目次

1.「freeeを使うことでよりビジネスを加速させる」世界を目指す

――まずご経歴について、どのような企業を経験した上で現在のfreeeに至ったのか、またfreeeでは創業時から現在までどのようなお仕事をされているのかについてお聞かせください。

 

横路氏:freeeのような事業を行うきっかけとなったのは、実家がスモールビジネス(焼き菓子屋)を行っていたことにあります。バックオフィス作業が大変な状態なのを見てきたので「何とかしてあげられないか」と思い、学生時代からプログラミングが得意だったこともあって簡単な販売管理のツールを作ったところ、とても感謝されたことが原体験としてあります。その後、大学で東京に出てきたのをきっかけにコンピューターサイエンスを学びながら、プログラミングのアルバイトでスモールビジネス向けのツールを作ったことが2つ目の原体験となっています。

 

新卒ではコンピューター全般が好きだったこともあり、ソニーに入社してカメラなどを作っていました。働きはじめて2年ぐらい経ったころ、同期から「エンジニアを探している人がいるけど会わない?」と言われて会ったのが今の社長である佐々木でした。話をしているうちに意気投合し、アイデアの種があるから1カ月後までにそのプロトタイプを作ろうということになったんです。次に会ったときにはアイデアの実装ができ、これいける!と実感したところで2カ月後にソニーを退職、起業するに至りました。

 

――佐々木社長と意気投合できたポイントはどのあたりにあったのでしょう?

 

横路氏:佐々木も実家が美容院ということで、スモールビジネスがどれくらい大変かということがわかっていたこと、CFO経験などファイナンスに精通していたこと、あとは、プログラマーではないにもかかわらずプログラミングを勉強し、ある程度コードを書けるようになってきたのを見て、「この人本気だ」ということがわかったことなどですね。

 

 

――起業後、CTOに至るまでにはどのようなお仕事をされてきたのですか?

 

横路氏:最初はリードエンジニアとして会計ソフトなどを作っていました。エンジニアが30人ぐらいになったころにはインフラ側のマネージャーになり、社内で必要なセールス支援ツールやマーケティング支援ツール、などを一つずつ構築していましたね。その後エンジニアが80名を超え、もう少し中長期のことを考えていこうか、というあたりからCTOらしい動きをするようになりました。

 

 

――今のfreeeの事業内容や横路さんの役割について教えてください。

 

横路氏:freeeではフリーランスから1000人未満規模のビジネスを行っている中小企業やスタートアップなど、スモールビジネス向けに、経営を楽にするツールを提供しています。当初は会計からスタートしたものの、企業が大きくなるにつれ、人を雇ったりセキュリティを意識したり、いろいろな業務を考えていくうちに、必要なシステムを自分たちで作りAPIで連携させたりしながら、すべてがfreeeの中で完結できる世界観のプロダクトを構築していますが、「freeeを使うともうかる」「しっかり経営が回る」といったアクションを打てるところまで行きたいと思っています。

 

たとえば、プロジェクト管理や原価管理の部分まで踏み込んでいったり、キャッシュフローを楽にするという意味では、自社で金融子会社を立ち上げクレジットカードを発行、与信エンジンを提供したりもしています。

 

「 freeeを使うことでよりビジネスを加速させる」という世界を目指しているので、まだ作りたいものはたくさんあります。今の主力事業は会計と人事労務ですが、コアとなるビジネスが数年ごとに立ちあがってくるような環境をまさに作ろうとしているところです。

 

――会計にとどまらず新しいプロダクトをどんどん作っているんですね。その中でCTOとしてどのような役割をなされているのでしょうか?

 

横路氏:われわれには大きなビジョンがあって、やっと一合目あたりまできたと思っています。ここから二合目、三合目を登っていくための足固めや、強みと思っている部分をさらに磨いていくことを行っているところでして、直近では人が10倍になってもしっかりスケールするような基盤投資や、てこを効かすような仕組み作りに投資をしており、このあたりの指揮を行っています。基盤チームではこの2年間投資を行って20~30人ほど採用しましたし、6名のマネージャーを育ててきました。

 

スモールビジネスは会社数でいうと全体の99.7%になるわけですが、情報を整理すれば大企業より少し先の未来を予測できると思っています。今は大企業とスモールビジネスの資本格差がどんどん広がっている状態ですが、自分たちがプラットフォームを提供し、スモールビジネスの少し先を見ることができればビジネスが簡単になり、優れたスキルやアイデアがある人がビジネスを行えば、必要な「ヒト」「モノ」「カネ」が集まって、短期間で面白いことができ、一人で大金を稼ぐことができる、といったことがあってもよいのではないかと思います。

 

われわれはクラウドでどことどこが取引を行っているかというネットワークがわかり、どこが信頼できるノードであるのか、ビジネスがどう動いていくのかがリアルタイムで把握できるため、3か月後のキャッシュ残高予測を出すことも可能になるわけです。現在は会計や人事労務、税務申告、クレジットカード、開業や設立など10以上のサービスを提供していますが、さらに広げていきたいです。

 

このように「カネ」からはじまり、人事労務の「ヒト」や販売や在庫の情報など「モノ」、自動化できる部分はすべて自動化できることで本当にやりたかったことに没頭できる、そんな社会を作りたいと考えています。
それが壮大なビジョンの十合目ですね。

 

2. CTOやVPoEの仕事は、裁量は大きいものの非常に泥臭いものだと知っておいてほしい

 

――仕事をする中で大事にしている考えなどがあれば教えてください。

 

横路氏:初期メンバーとしていうと、サービスを伸ばす、会社を成長させるために何でもするというマインドは非常に大事だと思っています。とにかく下手でもいいからまずやってみる、自分ができなければ人にやってもらう、といった考え方は今も変わらずに持っています。

 

――マインドとして変化していったことはありますか?

 

横路氏:最初は自分が手を動かせばなんとかなると思っていました。しかしこれだけ会社が大きくなると、自分でできることに限界が出てくるので、「いかにチームの力を最大化するか」「突き抜けている方にfreeeに共感してもらって一緒に手伝ってもらうか」、そこにフォーカスして考えるようになっていきました。

 

環境を作っていくうえでは「会社が伸びている」、そして「人が足りない」環境は非常に重要です。CTOやVPoEになるにあたり、エンジニアを束ねていくには課題解決が主な仕事になります。課題解決のオプションとして、どれだけ幅があるか、深さがあるかがポイントだと思っていますが、オプションを身に付けることが多いのは企業が成長していてどんどん仕事が生まれ常に人が足りない状態だからなんです。このようにfreeeにはチャレンジできるカルチャーがあることがとても重要に感じています。

 

エンジニア自体は給与水準が上がり、なりたい職業ランキングでも上位にいることもあって、優秀なバランス感覚がよい人もたくさんいらっしゃると思います。そういった方が本気で会社を大きくするためにCTOやVPoEを目指していってくれれば、次のキャリアステップとしてさまざまな部分に目を配れる人が増えてくるのではないかと思っています。最近話題のDX(デジタルトランスフォーメーション)の仕組み作りといった部分では、技術側だけでなく組織のDXまで担えるような人たちが求められてくるのではないでしょうか。

 

――これまでも優秀な方々が他の大手企業からfreeeに入社してきたこともあると思います。裁量だけで企業に飛び込んでいくのはリスクであるようにも感じるのですが、チャレンジする際、もう少しこのあたりを考えた方がよいのではと思う部分はありますか?

 

横路氏:シニアなマネジメントレイヤーは売り手市場で、採用する側もどういうポジションなのかよくわかっていないけれどもうちにはそのポジションが必要だ、ということで募集されていることも多いように感じます。また喉から手が出るほど欲しい人材だから、とりあえずよくわからないけど来てもらおう、ということになってしまいがちで、その結果採用のミスマッチが起きてしまうのではないかと思うのです。

 

そのミスマッチを避ける方法ですが、CTOは会社のサイズや事業フェーズによって行う業務が違うので、OB訪問を行うなどしてCTOがどういう職業なのかをしっかりキャッチアップするとよいのではないかと思います。あとはしっかり自己分析をすることです。CTOやVPoEは、裁量は大きいもののかなり泥臭いことが多い仕事です。その泥臭いことを自分が本当にやりたいかについて真剣に考えることも必要かと思います。考えてみた結果、採用の見極めや退職勧奨などといったことは苦手だ、ということがわかれば、技術にフォーカスした環境に行ったほうがよいです。CTOやVPoEにならなくても給与水準は上がっているので、自分が何を大切にしていきたいのか、何ができるのか、どれくらい稼ぎたいかを言語化しながら転職活動をするのがよいのではないでしょうか。

 

3.仕組みで会社を動かせるようにしていく第二創業期を一緒に作っていきたい

 

――第二創業期とされる今のタイミングでCTOやVPoEを目指す方がfreeeに入る意義としてどのようなことがありますか?

 

横路氏:今まさに会社を仕組みで動くように変えているところなので、スタートアップを中堅企業に成長させたと自信をもって言えるようになると思います。このような経験は、今後大企業のCTOやVPoEを目指す方でも大きな財産になるかと思います。

 

仕組み部分で動くという部分をもう少し掘り下げますと、たとえば年間数百人採用したとします。採用ができたとしても、当然その分マネージャーも必要になります。そのマネージャーをどうやって育てるのか、会社のカルチャーが壊れないか、人を入れたときにいかにスムーズに開発に入れるか(入社1日目から開発ができるように)といった具合に、人が増えれば増えた分だけたくさんのコンポーネントもあって非常に大変です。そこで開発環境の仕組み化やドキュメントの仕組み化も必要となります。プロセスや組織、システムなどといった共通の仕組みがあって、てこを効かすことができるかはポイントですね。

 

――これから新しい方々がfreeeに入社することで、社会に与えるインパクトにはどのようなものがあるのでしょうか?

 

横路氏:私はスモールビジネスからイノベーションが起こりやすいと感じていますが、日本の99.7%を占める中小企業やフリーランスの方が本当に働きやすい環境を作ることで日本が元気になると思っています。われわれの視点はまだまだ低いと思っているので、他の世界を知っている方々にfreeeに来ていただき、視点を上げてもらいたいと考えます。

 

――実際にハイレイヤーの方は入社していることと思いますが、どのような点に共感されて入社していると思いますか?

 

横路氏:基盤周りで言いますと、仕組み作りでスケールさせるのが好きな人は、使う側でなく作る側になりたいという思いを持ち、社会へのインパクトがありつつ、開発スケールのインパクトを求めてくる方が多いですね。また、アプリケーションレイヤーやサービス作りに携わるようなハイレイヤーの方の場合、最先端のプロダクト作りを通じて世の中がよくなっていくのを実感したり、開発スキルを身に付けたいといった方がいます。

 

――freeeにはこういう人がマッチするといったキャラクター部分の特徴って何かあったりしますか?

 

横路氏:まだ組織が出来上がっているわけではないので、仕組みがしっかりできていないと気持ち悪いと感じる人には合わないかもしれません。むしろうまくいっていない部分があれば、何とかしないといけないと自分から働きかけたり、周りを巻き込んでいったり、リーダーシップを発揮してくれる人は役職等に関係なく社内に多くいます。

 

たとえば、みなさんの身近にもスモールビジネスをやっている方はいると思います。私は両親がまさにそれに該当しましたが、行きつけのレストランや個人商店などでも同様に困っている方はたくさんいますので、彼らがどうやったら変わっていけるのか、われわれがそれにどのように関わっていけるのかをもっと知ってほしいと思います。私の価値観の中では「時間のイノベーション」を非常に大事にしていまして、10年かかると思っていたものが1~2年で行えたり、バックオフィス作業に1時間かかっていたものを数秒でできるようにするなど、時間をかけずに早く行いたいと思っていて、それをスモールビジネスにも届けたいと思っています。

 

――最後に、freeeを検討している方に向けてメッセージをお願いします。

 

横路氏:freeeは思っているよりできていない部分がまだまだ多い会社です。上場するまでより上場してからの方がたくさん課題は出てきているのが現状なので、どなたに来ていただいてもやることはたくさんあります。ぜひ何に困っているか聞きに来てください。第二創業期を支えてくれる方々がぜひfreeeに入社してくれることを心からお待ちしています。

 

 

(編集後記)freee人事部様よりメッセージをいただきました
スモールビジネスを世界の主役にというミッションのもとfreeeは中小企業の課題を解決し、より事業を伸ばせるようなフィールドを提供していく世界を作っております。目指すべき世界へはまだまだ道半ばであり、現在は仲間集めを積極的に行っております。
JACさんとは長いお付き合いの中でfreeeのミッション・求める人材を非常によく理解していただいており、採用を進める仲間として一緒に組織づくりに取り組んでいただいております。同じ志を持つ仲間を見つけるパートナーとしてこれからも期待しております。

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 

ライター:及川 知也

株式会社ASAP代表取締役兼ライター。早稲田大学卒。大手中学受験塾やゲーム会社、マーケティング会社の取材記事、その他金融やIT、採用、医療、企業経営など多岐にわたるライティング案件を年間1,000本以上こなしている。

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