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2022年最注目テクノロジー「メタバース」とは

公開日:2024/01/31 / 最終更新日: 2024/02/21

へッドマウントディスプレイ「Oculus」シリーズを開発するFacebookが2021年10月28日付で社名を「Meta Platforms(略称:Meta)」と変更したことで、日本でもメタバースに注目が集まるようになりました。2022年1月3日から7日まで開催された世界最大規模のテクノロジー見本市「CES」でもメタバースに関連する製品やサンプルが数多く披露されました。

コロナ禍でバーチャル上のコミュニケーションの重要性が急激に高まる中、メタバースは今後期待が高まるテクノロジーの一つとして認知されています。そこで本記事ではメタバースの概要と動向について解説します。


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メタバースとは何か


メタバースとは、インターネット上に構築した3Dの仮想空間を総称したものです。ユーザーはメタバース内で自らの分身であるアバターを操作し、他のユーザーと交流したり、空間内の仕様に従ってゲームをプレイしたり、共同作業を行うといった仮想空間での生活を送ることができます。

メタバースの空間は現実空間を模したものから、ゲームライクな空想的なものまでサービスによって異なり、ユーザーはヘッドマウントディスプレイのようなVR専用デバイスやスマートフォン、PCなどのデジタルデバイスを通じてアクセスします。

Metaが提供するヘッドマウントディスプレイ「Oculus Quest 2」(画像出典:Metaウェブサイトより)

現時点で最もコンテンツが充実し、市場としても活況なのはエンターテインメント分野ですが、ビジネス面での活用にも注目が集まっています。例えば、オンラインミーティングでは、静止画など画面をオフにした状態で参加した相手の表情が読み取れないため、対面のコミュニケーションのように表情を伺うことができないという状況を経験した方も多いのではないでしょうか。

メタバースの代表的な端末であるOculus Quest 2では、複数のセンサーを通じて表情や動きがアバターを通じてリアルタイムに表現できるので、双方がプライバシーは守りながらも、これまで以上に円滑にオンライン上のコミュニケーションを図れることが見込まれています。

また製造業および建設業、広告・デザインの現場においては、制作物のイメージやデータをメタバース上で共有することで、離れた場所にいる関係者同士が集まってリアルタイムでの共同作業が可能となり、またシミュレーションを体験できるソリューションの開発も進行中です。

ハード面の性能が大きく向上し低価格が実現したことが、コンテンツの充実を支えていることは言うまでもありません。加えて大容量通信の充実やVR技術の発達など、複合的な技術要因が重なったことでメタバースの巡るエコシステムは急激に充実しています。コロナ禍によるリモートワークやオンライン・コラボレーションの浸透もメタバースを大きく後押しする要因の一つと考えられます。

気になる国内動向


日本でもスタートアップ企業に限らず、大手企業もメタバースへの進出を発表しています。特に製造業ではメタバースという言葉が生まれる前から、3Dへの研究開発を水面下で行ってきた企業も少なくないだけに、本格参入をうたうケースも既に出ています。

先日のCESではパナソニックが子会社のShiftallを通じて、メタバース事業に参入することを発表しました。

Shiftallが発表したメタバース向け製品3種(画像出典:Shiftallのプレスリリースより

超軽量のヘッドセット、メタバース空間の温度を体感できるデバイス、音漏れ防止機能付きのマイクの3種類を2022年春に発売予定で、パナソニックが得意とするコンシューマー製品の開発・製造能力が十分に活かされています。

また日産自動車は2021年11月にメタバース上のバーチャルギャラリーを開設し、オンラインショールームの提供を開始しました。

ビジネス面での活用例ではMicrosoftが、日本での導入数も多い「Teams」のメタバース版ともいえる「Mesh for Microsoft Teams」を2022年に提供することを発表しています。

同サービスはTeamsが従来から提供しているオンライン会議やチャット、共有ドキュメント上のコラボレーションをメタバース上でも展開することで、「同じ仮想空間を共有する 1 つのチーム、1 つのグループであることを全員に認識させ、堅苦しさをなくし、活発な参加を促す」(プレスリリースより)などの目標達成に役立つようです。

Mesh for Microsoft Teamsを使ったアバター同士のチャット

一方でメタバースには今後解決するべき課題も存在します。ハード面ではディスプレイを長時間装着することで身体への負担もかかる点や、視聴覚を拘束するため、マルチに作業を切り替えられないなどの課題があります。また、経済産業省がとりまとめた調査報告書では仮想空間上におけるデータの所有権や著作権の帰属先の問題や、越境かつ仮想空間内のビジネスにおける法整備などの指摘もなされています。

今後、どのようにメタバース関連の製品やサービスがアップデートされていくか、そして人々の暮らしを変え、社会に浸透していくか−。デジタル分野に携わるビジネスパーソンは注視していく必要があります。

注目を集めるメタバース人材


テクノロジーの発展とあわせて、メタバース関連の人材獲得も今後激化していくでしょう。

Meta(旧Facebook)も欧州で1万人規模のメタバース人材を採用すると発表しています。既にビッグテック企業間のメタバース人材の獲得競争は激化しており、米ウォール・ストリート・ジャーナルは、2021年の1年間だけでもMicrosoftから100人前後のメタバース人材が他社に流出したと報じています。
AppleでもMetaからの引き抜き防止策として、自社株をエンジニアに支給しているとBloombergが報じています。

直接メタバース人材とうたっていないものの、3Dデータの作成に欠かせないソフトウェアやアプリケーションを開発するUnityやAutodeskのようなソフトウェアベンダーのエンジニアも、この領域に該当する人材だといえます。3DデータやXR、オンラインコミュニティにおけるデータ解析に携わっていた人材の市場価値は今後大きく上昇していくことでしょう。

一方、日本でもNTTドコモもXR(クロスリアリティ)領域の事業開発に携わるポジションを募集しています。
KDDIやソフトバンクなど大手通信キャリアは各社ともメタバース関連の投資や事業展開を積極的に進めていることから、メタバース分野で事業開発を担う人材の獲得競争は日本国内でも今後激化していく可能性があります。

また、メタバース人材の活躍はテック企業のみに留まりません。一例を挙げるとファッション関連のECサイトを手掛けるANAPは企業が保有するファッションアイテムのデータを登録するだけで、メタバースに適したファッション素材に変換するサービスを発表しています。

同社ではECサイトを運営するなかで、撮影・採寸した1000万件以上のデータと、商品開発したデザインの意図を言語化するノウハウを活用しているとのことです。このように、メタバースと関係性が低いと思われる業界が、自社のノウハウやアセットを武器にして新しい領域に参入するケースもあり、メタバース人材の転職先はテック企業だけに限定されるわけではありません。

もし、あなたが時代の変化を見据えたスキルアップを考えているのであれば、今年はメタバース人材として必要なスキルを身につけるのも良いでしょう。また、メタバースを現在の業務に取り入れることで職務経験の引き出しを増やすのも、キャリアアップにつながる選択肢です。エンジニアやデザイナーなどの専門職の場合には関連する言語や開発環境、ツールを使った業務経験は必須要件になりますが、企画・事業開発の場合にはプロジェクト推進能力や調整・交渉力など、どの分野でも要求されるスキルが求められます。


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メタバースの時代は、そう遠くないうちに来る


ここまでお伝えしたとおり、欧米のテック企業を中心に採用が活況化しているメタバースですが、今後はさまざまな産業にも影響を及ぼすでしょう。

特にデジタルツインが進む製造業においては、現実空間にある工場や生産拠点の様子をデジタル空間に構築する技術をAmazonやNVIDIAが提供しており、必ずしも「数年先の未来」とはいえない状況です。また、先に述べたとおり、一見メタバースとの関連が薄いと思われる業界が新たな一手としてメタバースに進出する可能性も大いにあります。

新たなテクノロジーに携わる人材を目指すのであれば、今のポジション、環境にどう活かすかを考えることから始めてみてはいかがでしょうか。

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment 編集部

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


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