【イベントレポート】コンサルティング業界を変えるテクノロジー人材 ~ITエンジニア出身者が秘める変革パワー~

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昨今、DX、Cloud、AI、IoT、CyberSecurity、SAP、メタバース、SDGsと、世界規模でテクノロジーが変化しています。世の中の変化の中で、「今後どのようなキャリアを描いていけばよいのか」と将来のキャリア形成に悩みを抱えている方も多いと思います。

 

今回は、民間企業や行政に対してテクノロジーの側面からコンサルテーションを行うデロイト トーマツ コンサルティング合同会社(以下、DTC) 執行役員 渥美 文孝氏、森島 カレブ氏、ディレクター 松森 理恵氏に対し、元日本マイクロソフト業務執行役員でJAC Digitalアドバイザーである澤 円氏が質問者となり、デロイト トーマツ コンサルティングにおけるテクノロジー人材のキャリアパス、プロジェクト事例など普段聞けない情報を引き出します。

 

※本記事は2022年3月24日にJACデジタル が開催したオンラインイベントを一部抜粋・再構成したものです。

 

 

目次

 

 

<講師紹介>

デロイト トーマツ コンサルティング合同会社

 

Emerging Solutions & Incubationsユニット 執行役員
渥美 文孝氏

外資系SIベンダー、外資系コンサルティングを経て現職。
ライフサイエンス、消費財業界を中心に戦略立案からシステム導入/定着までEnd to Endでのトランスフォーメーションを数多く支援。
特にSCM関連のオペレーション変革からシステム導入までの経験を豊富に有しており、
昨今はその一環でデジタル化構想やデジタルトランスフォーメーションの支援を多く手掛けている。

 

 

Globalizing Digital Enterpriseユニット 執行役員
森島 カレブ氏

日系大手SIer、および外資系大手SIerを経て現職。
15年以上のSAP経験を有し、自動車業界など複数の業界クライアント向けにPJ企画工程支援からグローバルロールアウト/運用保守を経験。
また、複数のSAPソリューション開発や、SAP関連事業のマネジメントを経験。
昨今は、デロイト トーマツ コンサルティングにて、SAPビジネスを担当している。

 

 

Globalizing Digital Enterprise ディレクター
松森 理恵氏

内資系コンサルティングファームを経て現職。
医薬品・医療機器メーカーを中心に、IT構想策定からシステム導入、オペレーション改革など、ITおよび業務関連のコンサルティングを幅広く手掛ける。

 

 

 

 

株式会社圓窓
澤 円氏

株式会社圓窓 代表取締役。元日本マイクロソフト業務執行役員。
現在は、数多くの企業の顧問やアドバイザーを兼任し、テクノロジー啓蒙や人材育成に注力している。
2021年4月より株式会社JAC Recruitment デジタル領域アドバイザーに就任。

 

 

1.人に期待する、風通しのよいグループ

澤氏:コンサルティングファームが数多く存在するなかで、DTCの特徴を教えてください。

 

 

森島氏:まず、デロイト グループ全体の説明をいたします。海外に多くの兄弟会社があるのですが、資本の上下関係はなく、DTCも外資ではありません。兄弟会社間の仲はよく、たとえばデロイトUSのパートナーに助けを求めたら、1週間後にすごくよい提案書が届いたりします。そうやって助け合えるのがデロイト グループの特徴かと思います。

 

澤氏:コンサルファームというと、どちらかといえばドライとか激務とか、常に競争みたいな印象を持つ人もいると思うんですけど、お話をうかがう限り全く違いますね。

 

森島氏:そうですね。綺麗事になってしまうのですが、執行役員やパートナー陣には、人に期待することを絶対に諦めないメンタリティがあるように感じます。見捨てないしフォローするし、時間を割いて個々にキャリアのアドバイスをする方もいます。

 

澤氏:渥美さんはSIベンダーや外資系コンサルというキャリアを経ているわけですが、なぜDTCを選ばれたのでしょうか。

 

渥美氏:正直な話をすると条件面はあまり気にしておらず、一番雰囲気が合ったというのが理由です。面接の過程で一緒に働く人の雰囲気を見ても、それまで抱いていたコンサルの厳しいイメージとは違い、柔らかさを感じました。また、これは今でもDTCのよい点だと思っているのですが、組織の壁を感じませんでした。

 

松森氏:私はたまたまお声がけいただいた方の雰囲気にひかれるものがあって入社を決めたという流れです。森島さんや渥美さんがおっしゃるように、人に対してのリスペクトや穏やかさがあると思います。グループ全体で見ても、「自分のところが」というよりは、一緒にやりましょうみたいな文化で、すごく風通しや居心地がよい。ここでなら一緒に頑張っていけそうと思える雰囲気がありました。

 

2.デロイトがテック領域に注力する理由

 

澤氏:なぜ今デジタルに注力しているのでしょうか。デジタル人材の採用を強化していくというマインドは以前からあったのでしょうか。

 

渥美氏:昔からデジタルに関わるアドバイザリーの仕事は多かったのですが、「その後まで一緒にやってほしい」といわれるようなケースが増え、会社として本当にお客様に貢献するために、エンドトゥーエンドでやる必要性を感じました。テクノロジーの普及で規模が出てきたこともあり、アドバイザリーだけでなく、インプリメンテーションやオペレーションもやっていくことで、お客様により価値を提供するという話になったのだと思います。

 

澤氏:インプリメンテーションやオペレーションまでカバーするということは、生半可な覚悟ではできないと思います。僕がITコンサルタントをやっているときには、「時間効率が悪い部分を切り離して、別に手を動かす人にやってもらいなさい」という考え方だったんですね。僕の印象だと、DTCは上流がすごく得意で、そこは切り離して考える会社なのかなと思っていましたが、実際には今もう全てやっているということなんですね。

 

渥美氏:そうですね。そこをきちんとつないでいかないと、漏れるものがあったりして、お客様にとって時間のロスを生んでしまいます。ですから、全てやっていく価値は肌で感じています。

 

松森氏:ITだけに特化することは多少リスクもあるでしょうが、それよりもお客様のニーズやお求めに応えたいという意志が働いて、大きく流れが変わってきているのかなと思っています。

澤氏:業務自体のアドバイザリーもできる状態であるがゆえに、テクノロジーの必然性が担保された状態で、そのインプリメンテーションに流れていくというやり方ですね。

 

森島氏:DTC社内にはシステムエンジニア出身のパートナーや執行役員が多く在籍しています。社長もSE出身なので、個々のバックグラウンドとしても親和性が高いという要素はありますね。

 

3.テクノロジ―は導入することが目的ではない

澤氏:テクノロジーは正しく使わないと、機械やソフトウェアに振り回されることになります。インプリメンテーションやオペレーションも含めてデザインしていくことによって、ソフトやシステムに振り回されず、本当の意味でビジネスに効果的なデジタルの活用を目指しているのでしょうか。

 

森島氏:「データを可視化した先でどのような経営効率化ができるか」という大きな目的論の中で、私たちが扱うSAPは一つの手段でしかありません。その手段をほかのベンダーにお願いするのではなく、自分たちで一気にやってしまう。そうすると、いったんシステム導入をした後もわれわれがコンサルティングすることで、システムの成果を一気に高めることができます。システムは導入することが目的ではなくて、運用することが目的です。私たちの時間効率だけを考えるのではなく、本当にお客様のためになることを考えた結果、「インプリメンテーションやオペレーションもやっていこうよ」という発想に至っているのではないかと思います。

 

渥美氏:一番大事なのは、何のために改革をするのかという目的意識を持ち続けることです。複数の会社で受け渡しをすることで効率性は上がるかもしれませんが、大事なことが欠落していく可能性もある。やはり一気通貫で目的をおさえながら最後までやることの価値は、非常に高いと思っています。

 

松森氏:私たちはプロダクトを持っているわけではありません。何か実現したいことや解決したい課題に対して、システムや人や業務のオペレーションも含めて、どうすればよいかを真剣に能力のかぎり考えるのが仕事だと思っています。その中でキーになるテクノロジーがあれば、必要であれば私たちが一緒に作りあげることもするし、SaaSやエコシステム化できるところは、ほかのベンダーと協力しながら取り組むこともあります。

 

4.テック人材はコンサルタントになれるのか

澤氏:DTCにおけるキャリアをもう少し深掘りしていきたいと思います。あちこちでよく聞かれる質問かと思いますが、そもそも英語は必要ですか?

 

森島氏:使えたほうがよいと思います。というのも、デロイトUSなどが持っている最先端の事例は本当に面白いんです。何か提案をする際に彼らと話して、いいアイデアをインタラクティブに教えてもらうためにも、英語は必要かなと思います。ただ、英語が喋れないから海外の方々と連携できないかというと、そうでもありません。助け合う精神があるので、英語を喋れない人はほかの社員がフォローしていますね。

 

渥美氏:僕も助けてもらっている方だと思います。ただやはり、デジタル領域ではアメリカやヨーロッパによい事例が詰まっているので、資料をもらったり、話を聞いたりするだけでもヒントが山のように出てきますね。

 

森島氏:テクノロジー人材は、そもそもテクノロジーの言葉が英語なので、単語と単語を組み合わせると結構通じるかなとは思います。

 

澤氏:テックの用語は日本語になっていないことのほうが圧倒的に多数なので、発音がよいとか文法が正しいということよりも、それらを正しく組み合わせることができる方が能力の証拠になりますよね。他方で、テックに詳しいことがコンサル領域での武器になるのかという疑問もありそうですね。「ずっとエンジニア一筋でやってきたけれど、コンサルタントになれるでしょうか?」という人に対して、アドバイスをいただけないでしょうか。

 

渥美氏:われわれの仕事はテクノロジーと業務のブリッジ役のようなものが多いので、テックという専門性や視点は武器になると思います。また、そもそもテクノロジーをやってきた方には、ある程度のロジカルシンキングが自然と身についていますよね。

 

澤氏:なるほど。ではその上で、その人たちが業務プロセスを理解してコンサルティングできる人材になるために必要なものや、どういうマインドセットでいるとうまくいくのかについてはいかがでしょうか。

 

森島氏:深い興味を持つことですかね。たとえば自分がパラメーターを切っている受注登録機能について、どの部署のどういう人がどんなタイミングで使って、1カ月で何画面くらい打つのだろうとか、想像力を働かせて興味を持つ。そういう質問をお客様にするうちに、自然と業務を覚えると思います。自分がやっていることに興味を持って聞いてくれたら、お客様も喜んで教えてくれると思います。そういうことを数年繰り返していくと、業務プロセスに詳しいテック出身の人が生まれると思います。

 

澤氏:リスペクトをベースに置いたうえで、興味を持って質問すると、だいたいの人は自己肯定感が高まりますよね。他者に対して興味を持つのは、結果的に非常によいエコシステムを形成するきっかけになりますね。素晴らしいポイントをアドバイスいただき、ありがとうございます。

 

5.外資系+日本式のハイブリッド評価制度

澤氏:社内での評価制度について伺います。DTCのなかではジョブディスクリプションに基づいているのか、それとも日本企業的な、人となりやプロセスまで含めた形でみるようなカルチャーがあるのか。あるいは両者のハイブリッドなのでしょうか。

 

森島氏:印象としては、ハイブリッドですかね。

 

松森氏:タレントモデルのようなものは、日本も含めてグローバルで定められています。ランク別に必要なスキルや知識が決まっているので、それに基づいて昇格や評価を判定しています。一方で、人となりや日々の振る舞い、周りの人たちからどのように見られているかといった要素も加味されています。

 

澤氏:何をすれば評価をされ、場合によっては昇格や昇給もするという相関関係を皆さんが明確にわかっている。その辺りは外資的な要素でもあるけれど、日本企業らしい寄り添い型のカルチャーもあるので、そういう意味でハイブリットということですね。

 

森島氏:評価会議では全プロジェクトの責任者が、自分のメンバーが頑張ったことをアピールするので、アピール合戦のようになります。そこは自分のプロジェクトに協力してくれている人を仲間として大切にする、日本らしい部分だと思います。

 

澤氏:その一方で、組織の壁はあえて低くする仕組みがちゃんと作られているのは面白いですよね。そうすると、他部署からも声がかかりやすくなるかもしれない。「あそこではパフォーマンスがいまいちだけど、あのポテンシャルだったらうちの部署でもいいんじゃない?」という話が起こることも、あり得るということですよね。

 

森島氏:あり得ますね。ただ、去っていかれる時はすごく寂しいです(笑)

 

6.一緒に働きたい人材と、DTCでのキャリアパス

澤氏:こんな人と働きたい、こんな人に来てほしいというものがあれば教えてください。

 

渥美氏:仕事を楽しみたい人と一緒に働きたいですね。私は2021年6月に立ち上げた組織のリーダーに就いているのですが、ルールもあまりない中で、メンバーと一緒にゼロから雰囲気や文化を作っていくような状況です。ですから「ルールに従って」とか「これを決めてくれ」というよりは、一緒に考えようといってくれる方達と働きたい。スキルや経験は、その後にくるものだと思っています。

 

松森氏:なんでも面白いと思える人ですね。新しいこと、新しい人、新しい環境、新しいテクノロジーなど、いろいろなことに対して、自分にない要素を面白いと思って、楽しんでいける人と一緒に仕事をできるとうれしいです。

 

森島氏:ご自身の未来や社会に対して、ポジティブな未来思考みたいなものを持っている方はぜひDTCに来ていただきたいと思います。あるいは、そういう想いをおぼろげに持っているけれど、自分の変え方や環境の変え方がわからないという悩みを持つ方にもぜひ来てほしいですね。ご自身が抱えるキャリアの悩みをブレイクスルーしていくことが、当社の財産にもなると思いますので、一緒に悩み、成長していきたいと思います。

 

渥美氏:キャリアパスについても、自分で考えて作っていける方に来ていただきたいです。まずはやりながら、自分の中で何が好きなのかを見極めて、コンサルタントという職種だけにこだわらず、好きなようにキャリアを考える。DTCの中にも機会がたくさんあるので、まずはそこで試しながら、最終的に自分はどうしたいかというのを考えていければよいと思います。

 

森島氏:DTCではいろいろな部署と日常的に触れ合えるので、興味を持ったらいきなりキャリアチェンジするようなことが日常茶飯事です。そこを楽しむためには、自分の未来に対して、ポジティブに何かを見つけたいとか、何かを社会のためにしたいとか、そういうものを持っていることが必要かなと。

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